夏の川はいい。
鯉みたいなやつに小魚、
亀までいるこの水の中。
濁ってはいるけれど、
何だか栄養は豊富そう。
夏の晴れた日に川を眺めるのは、
瞳の綺麗な子に気づく様子と似ている。
初恋と言う訳じゃないけれど、
どこか甘酸っぱいような感覚だ。
風に吹かれてゆっくり前へ進み、
昇る雲を見つけ、木陰で涼んで、
そんな瞬間に出逢うために、
またゆっくり、前へ進む。
汗をかいても、
目がちらついても、
全てその瞬間のためにあって、
それを知っているから、
文句なんて出てきやしないんだ。
反射する光は空気を変えて、
水と緑はどこまでも愛おしくて。
それほど、この空間は美しい。