【詩】夏の

夏の川はいい。

鯉みたいなやつに小魚、
亀までいるこの水の中。

濁ってはいるけれど、
何だか栄養は豊富そう。

夏の晴れた日に川を眺めるのは、
瞳の綺麗な子に気づく様子と似ている。

初恋と言う訳じゃないけれど、
どこか甘酸っぱいような感覚だ。

風に吹かれてゆっくり前へ進み、
昇る雲を見つけ、木陰で涼んで、

そんな瞬間に出逢うために、
またゆっくり、前へ進む。

汗をかいても、
目がちらついても、

全てその瞬間のためにあって、
それを知っているから、
文句なんて出てきやしないんだ。

反射する光は空気を変えて、
水と緑はどこまでも愛おしくて。

それほど、この空間は美しい。

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