【詩】倒錯

窓の人間と対話する。

格子は顔を分割する。

夜は輪郭を曖昧にする。

目は片方でこちらを睨む。

遠い世界の色がつく。

元の形は忘れられる。

腕は頭から伸びる。

足は腹から突き出す。

モザイクが生まれる。

色は逃げ出していく。

光の流入量が変わる。

彼は虚像となる。

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