【詩】しん

街灯と枯れた木につつまれた

冷えた空の下をぽてぽて歩く

一人の少女は港町のようで

そこだけは暖かにも感じる

無機質な世界は息を吹きかえし

目をあけては呟きはじめ

忘れかけた命の営みに心躍らせる

沈みゆく運命の中で

それは一つの安らぎであって

雪は優しく降り積もり

風はしんと静まりかえり

夜空は僕を暝らせる

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