LR/sounds.Artででででででででででです。
なんかこのブログで書くことでもないんですが書きたくなったので書きます。
マイナンバーがダメな3つの理由
です。
マイナンバーはやめるか抜本的に変えた方がいいと当初から思っています。
理由1:セキュリティ的にやばい
ひとり一つの固有の番号が、一生の間に漏れないわけがないです。
デジタル時代は万全のセキュリティなんてないので『漏れる前提』で設計しなきゃいけないです。
ましてや年末調整とかですら紙に書かせてしまうので、例えば経理の人が情報見たら終わりです。
そんなことですぐ漏れる番号に、いろんな機能を統合させようとしてるのがまずやばいです。
理由2:便利じゃないのがやばい
免許証、保険証とかいろんな機能を一枚にまとまってるわけじゃないので、リスクや作る手間の割に全然便利じゃないです。
むしろわざわざ「マイナンバーカードが無いと時間がかかりますよ」みたいな、あえて不便を作り出して発行を促してるケースも見られて無理矢理さがすごいです。
そもそも役所で書類もらったりする機会なんてあんまりないですし、病院でマイナンバーカードを見せることもよろしくないだろうし、1枚に機能統合させる必要性も薄いです。(メリットよりデメリットが大きすぎ)
仮にやるならマイナンバーがICチップにしか記載されていない(券面に載っていない)盗み見られる可能性がない個人番号カードを作って、それを端末で読み取らせる形にしないとダメです。
そういう設計をあらかじめせずに場当たり的に進めちゃってるのがやばいです。
理由3:社会的コストがかかりすぎてやばい
これが一番やばいんですが、社会的コストがかかりすぎててやばいです。
どういうことかというと、例えば今までは書類やいろんな申請の時に、免許証のコピーや免許証番号を写すだけで済んだんです。
これが申請書類によっては、免許証+マイナンバーの両方を記載する必要性が出てきます。つまりは申請一回あたりの工数が増えてるんです。これは役所などでの確認時も同様です。
「役所ならマイナンバーの確認なんてすぐでしょ?」
って思うかもしれませんが、やばいのはこれが『1億2千万人の人口分×回数分』増えてるってことです。
もちろん申請時の時間・確認時の時間や、そこにかかる人件費なども使ってます。1億2千万人って考えたら膨大すぎます。
システムや端末ではなく人間に確認させてるので社会的コスト(時間・お金)の消費がやばいです。
マイナンバーは相対値で設計すべきだった
僕が思うのは、マイナンバーは絶対値(固有番号)ではなく相対値(その場限りの番号)で出すべきだったということです。
例えば銀行のワンタイムパスワードカードのようなものを配布して、申請時に入力→サーバー側で確認→許可みたいな手順を踏ませます。
そうすれば固有番号じゃないので物理的にカードを盗まれない限りは安全ですし、サーバーですぐ照合できるので保険証とかのカードを出す手間も省けるし、システム側で確認してくれるので社会的コストも抑えられます。
もしくはわざわざ入力させずに、
ICチップを読み込むだけでワンタイムパスワード的な動作をさせるカード
が作れるのであれば、そちらのがコスト削減出来て良いと思います。
そもそもWeb世界でHTMLからPHPへ移行が進んだように、絶対値から相対値への移行、それによる社会的コスト削減は必然的な流れなんです。
そういった設計をあらかじめしていないのはなぜだろうというのが、僕がすごく疑問に思うところです。
1.利権のため意図的に行った
2.流れを読み取れていない
3.プロにきちんと聞いていない
このいずれかかなと思いますが、個人的には政治家が行うことは自ら動くというよりプロを上手に使うこと(任せるべき人を選ぶ目)が大事であって、3番が致命的だと思います。
ただよく見られますが
「政治家がバカになった」とか個人能力に理由を求めるのはあまり良くない
です。
例えば車のレースでより速く走りたい時に、まず着目すべきところは何か?
・ドライバーを育てる
・タイヤを変える
・エンジンを開発する
一番『安く・速く』効果が出るのは、良い走りが出来るタイヤに変えることです。タイヤはレース中に何十万回も回るわけで、1回転あたり3cmでも前に進む能力が上がれば、その効果は膨大だからです。
でも「ドライバーを変えろ、育てろ!」と個人能力に着目する人が多いんです。けど人を育てるのは大変だし時間もかかります。つまり成果が出るのはずっと先です。
これが「政治家を変えろ」です。大事なのは政治家を変えるというより、良い政治家が生まれるシステムを作ることです。(教育を変えるとか、選挙制度を変えるとか)
もっと身近な会社の世界
で言えば、売上が上がらない理由を『社員の生産性が悪い』と見て、残業させたり、根性論で叱ったり、厳しい目標や管理を行ったりする人たちがいます。
でもこれも、社員個人の生産性に目を向ける前に、着目点を考えるべきです。
・仕事の量が多いのでは?(営業)
・仕事の割り振りが適材適所ではないのでは?(人事)
・人間関係が良くないのでは?(人事)
・オフィス環境が良くないのでは?(管理)
とか、他のところで考えるべきところはたくさんあります。
人は環境には勝てない生き物なので、例えば気持ちが上がるBGMをかけたり、居心地のいいイスを用意してあげるだけで生産性が上がる例もあります。(ビートルズかけたらレジ打ちスピードが上がったという実験がありました。出典忘れましたが)
そういったところに着目せずに『目標を作って厳しくやれば上手くいく』と、個人能力が悪いと躍起になってるから、人がいなくなるのです。問題点選びを誤っています。
まず変えるべきはシステムであり設計
であって、そっちのが間違いなく効率がいいんです。
もし雨の落ちる速度を早めたい人がいたとして、航空機飛ばして巨大扇風機で風を送っても効果は微々たるものしかありません。航空機も何万機も飛ばさなくてはなりません。
でも『地球の重力をちょっと上げる』ことが可能なら、それだけで全世界の雨の落ちる速度が上がります。システムとか設計の効率を上げるってそういうことなんです。
マイナンバーについてもそういう視点で作ってほしいなあと思いました。
台湾のデジタル担当大臣のような人がいればもっとすごい形で出来たのかもしれませんが、日本のサイズ感だと利権とかしがらみがデカすぎて(個人能力では)いても難しいのかもしれません。
でもそうした部分を変えていかなきゃなあと思います。
LR/sounds.Artででした、おやすみなさい。