LR/sounds.Artででででででででででででdす。
メンタリストのDaigoさんがすごく炎上
していますね。
直接放送見たわけじゃないのであれですが「ホームレスとかいないほうがいい」とかそんな発言をして、優生思想とか過激とか支援団体とかいろんな方面で炎上しているみたいです。
個人的にはあんまり好きじゃないので「そっかあ〜」って感じなんですが、
今回の炎上で感じたこと
があるので書いてみようと思います。(長くなるかもしれません)
まずDaigoさんって「心理学の本とか自己啓発本をたくさん読んでて、その知識をテクニックやスキルとして解説している人」だと思っています。
いわば『自己啓発本の権化』みたいな人で、
・生産性アップ
・時間の効率化
・スキルアップ
・コミュニケーション力アップ
・休息力アップ
とか、そういう話をする人の中で表舞台での代表クラスだと思うんですよね。
この『自己啓発』って分野はとにかく「人生の生産性を上げるためにいろいろやろう!成長しよう!」という分野です。
『人生の生産性を上げることこそ正義』であって『生産性=価値』です。
その思想の権化みたいな人がDaigoさん。
つまり
なぜ炎上してしまったのか
というと、
「ホームレスはいないほうがいい」
→生産性のないやつには価値がない
というメッセージを発信してしまったからです。
Daigoさんは自己啓発本の権化なので、たぶんいっぱい読みまくる中でそういう考え方に頭が染まって、自然とそういう発言をしてしまったのだと思います。
僕はDaigoさんという人は「どちらかと言うと知識を横流ししている人」だと見ていて、そこまで実践で使っていない気がしています。
知識には、
1.本などで学んだ知識
2.学んだ上で実践した知識
3.観察して体得した知識
の3種類があって、もっとも応用が効き人生に使っていけるのは3番の知識です。
逆に1番の知識は、実際に使っていないか使っても浅い理解でやってしまうので、1週間も経てば忘れてしまっています。
この1と2の間ぐらいが、Daigoさんなんじゃないかなーって思うんです。特に過去のDaigoさんは。
そうなると何が起こるかというと自分の芯がどんどんブレていって、本そのものになってしまう。つまりある意味洗脳されてしまって、そういう発言になってしまったのかなあと思います。
(だからと言って、あんまり炎上という形は属人的で好きではないです。なぜなら人より環境の方が強いので。)
それはさておき、
「生産性のないやつには価値がない」という発想の裏側にあるもの
は一体なんだといえば、それは『純粋な資本主義』なんです。
つまり「売上を上げられなければ価値がない」経済合理性的な考え方です。
この『純粋な』資本主義は、株主に利益を還元するために何でもやります。
・法のギリギリを攻めた誇大広告
・夢をもたせるための壮大なヴィジョン
・競争させるためのルール
・会社に長時間いさせるための仕組み
などなど、何でも使って株主に利益を上げる(=株式会社の最終ゴール)ことを目指します。
日本では「会社は家族だ」みたいな発想が昭和にあったと思いますが、本来の会社は決してそういうものではなくて、生産性がなければ翌日にはクビを切られるようなそんな世界です。
グローバリズムの浸透で、日本にもアメリカ(資本主義の権化)的な純粋な資本主義が浸透してきて、だんだんと生産性社会になってきた。
だから生産性を上げるために自己啓発という分野が流行り、自己啓発本もガンガン売れてきた。
そうしているうちに「生産性を上げられない(役に立たない)やつに価値はない」という人がどんどん増えてきて社会の文化になっていった。
それに対するアンチテーゼとして、ミニマリストとかゆるく生きようとか、「役に立たなくてもいい、ありのままでもいいじゃないか」という人々も出てきた。
そんな流れなんですよね。
つまるところ
今回の炎上は『純粋な資本主義を巡った文化の対立』
その象徴なんです。
自己啓発本の権化みたいなDaigoさんと、ホームレスを支援したり、ゆるく生きたりありのままでいいじゃんという人々。その対立が、炎上という形で現れたということです。
2011年ぐらいに『ウォール街を占拠せよ』というデモがありました。
これは「アメリカの上位1%の富裕層が富を独占して、さらに増え続けている」「残り99%の我々は相対的にどんどん貧しくなっているじゃないか!仕事もないぞ!ふざけんな!」みたいなデモです。
なぜウォール街かというとそこが金融の象徴で、トレーダーたちがいっぱいいるからです。そのトレーダーたちが動かしているのが『資本家(富裕層)のお金』です。
この金融というのが厄介で、例えば10万円の元手を100万円としてトレードできたりするんです。
この仕組みをレバレッジと言うんですけど、例えば……
・レバレッジ1倍で10%利益が出た場合
→元手の現金は10万円
→レバレッジ1倍なので動かしたお金は10万円
→10万円の10%で利益は1万円
なんですが、もしレバレッジが10倍なら
・レバレッジ10倍で10%利益が出た場合
→元手の現金は10万円
→レバレッジ10倍なので動かしたお金は100万円
→100万円の10%で利益は10万円
となります。
つまり「元の現金は10万円しかないのに、100万円としてトレードして10万円儲かって、元手が2倍の20万円になってしまった」ということが起こりうるのが金融なんです。(しかも100倍とかにも出来る)
だから優秀なトレーダーを味方につけている資本家は、ガンガンお金が増えていくんですね。
そしてトレードはどこかの誰かが得をして、誰かが損をする仕組みなので、他の人がレバレッジかけまくって得た利益を、どこかの誰かが『現金で』支払わなければなりません。なので実際の現金が金融市場に流れていきます。
このレバレッジの破壊力は絶大なので、金融経済(資本家)にどんどん現金が流れていく(=現金が減っていく)。さらに資本家はそのお金で土地や不動産を買って、さらに儲けていきます。
つまり金融経済(資本家)の富がガンガン増えて、実体経済(現金をやり取りしている私たち)は相対的にどんどん貧しくなっていく。
本来なら資本家が雇用したり給料を上げて、実体経済側に分配を増やしていけばバランスが取れるのですが、その分配がうまくいかないのは日常を見ていても明らかですよね。
『純粋な資本主義』は容赦がないので、ガンガン富裕層が儲けて残り99%は貧しくなっていった。その結果がウォール街を占拠せよデモだったんです。
その
『純粋な資本主義』が日本にもどんどん浸透してきた
ということを理解しておく必要があります。その表舞台での最初の火種(衝突)が、Daigoさんの炎上なんじゃないかなと僕は感じたんです。
ただ、この浸透を日本が止めることは困難です。
なぜかというと
日本=敗戦国
だからで、基本的にはアメリカ(資本主義の権化)の言ってくることには、最終的に従わなければいけないからです。
つまりグローバリズムの流れを止めるのって日本の中からじゃ不可能に近いんです。(僕は鎖国しちゃえよって思うけど)
その点、中国は国家運営としてはすごく上手くやっていると思います。
例えば中国ってツイッターにアクセス出来なくて、Weiboって自前サービスを用意してますよね。他にも様々なサービスを自前で用意したり、国外へのアクセスを禁止したりしています。
これは他国のルール(今回はグローバリズム)が国家を破壊する足がかりになるって知っているからです。
ルールメイカーは最強
です。
例えばスマホゲームで一番儲けている会社はどこでしょうか?
日本で言えば、Fateの会社?モンスト?ポケモンGo?
いいえ、答えはアップルでありグーグルなんです。なぜならすべてのアプリから手数料を取れるからです。(しかも手数料を増やしたり出来る)
なぜアップルやグーグルが強いかというと、Appストアみたいなアプリで儲ける仕組み(ルール)を作ったからです。そのルールの支配者だから強いんですね。
その超巨大版が『純粋な資本主義』であって『グローバリズム』です。
これはアメリカが権化のルール。だからそのルールの上で踊らないよう、中国はいろいろ規制しています。監視社会とか弾圧とか日本では悪く言われがちですが、中国政府としては国を守る行為として当然(だと考えている)ことをやっているんですね。
その国を守る行為が、日本は敗戦国だから自由に出来ずにルールに乗るしかない。
だからグローバリズムがもてはやされて、自己啓発が流行って、ここに来て衝突が起こりだしたということです。アメリカで起こったことは日本で10年ごとに起こると言われますが、ウォール街を占拠せよデモみたいなことも起こるかもしれませんね。(コロナ問題もありますが)
その意味では、
今は生き方の転換点
なのかなと感じてます。
つまり、
・資本主義に忠実に生きるか
・資本主義からなるべく離れるか
です。
前者は、行動したりスキルアップして、どんどん生産性を上げていく生き方。(お金持ち)
後者は、広告に惑わされず支出を減らし、いわゆる生産性がなくても十分に暮らせる生き方。(時間持ち)
どちらに行くかで、個人としての在り方が変わってくるだろうなあと思いました。
僕は個人的には後者の方向ですが、そういった人々が増えていって、何かしら新しい文化圏や経済圏が出来上がったら、それは本当に素晴らしいことだなあと思います。
長い文章読んでくれて、心からありがとうございます。
LR/sounds.Artでした、おやすみなさい。